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Dのねぐら


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ガンダムAGE、感想

「機動戦士ガンダムAGE」の感想です
(肯定的な内容です)

以下、完全にネタバレなので注意のこと

ガンダムAGEが終わりましたねー
バンダイチャンネルで見ていましたが、どうも、過去シリーズを意識してしまう人にとっては、厳しい評価のようで

僕は、ここまで「家族」を前面に打ち出したガンダム作品は、これまでになかったと思います
主人公の身内が登場するシリーズは多くありますが、AGEの場合、それらとはまるで異なっています

主人公のみならず、敵対するヴェイガン側でも「家族」が描かれていますよね
シャナルアさんの言葉(敵にだって家族がいるんだ、ということだったかと)も、何気に重かったし
圧倒的な強さをもち、優位に立っていたはずのゼハートも、「家族」に憧れていた・・・

あぁ、そういう話なんだと分かった頃から、AGEが好きになりました
(アセム編中盤くらいから?)

そして、キオ編のエンディングで流れる「forget-me-not~ワスレナグサ~」

忘れないよ、忘れないよ・・・

・・・のくだりでは、幸せそうな家族赤ん坊の姿が映っています
とても優しい気分になれるところで、毎回、楽しみにしていました


主人公は3人いますが、フリットがメインの物語

それについても賛否ありそうですが、まぁ、彼はもっとも重い「十字架」を背負って生きていますから、至極、当然の扱いではないかと
あまりに多くの大事な人を、失いすぎた・・・

自分に「力」があることが分かっているから、余計に「護れなかった」という意識が強くなるわけですね

キオ編での彼の「ヴェイガン憎し」に凝り固まっている言動は、痛々しくもありますが・・・
自分がもし、大事な人を何人も殺されたら、正常でいられるだろうか?

・・・と考えたら、現実離れしている状況なので完全に理解することはできないものの、なんとなく察することはできました
母親、戦友、上司、(おそらく)初恋の人・・・

これだけ失って、「相手を憎むな」っていうのは、無理かもしれませんね
(戦争なので、戦友・上司は仕方ないとしても、ほかの人は・・・)

まぁ、彼の場合は自責の念も強かったわけですが


アセムやキオの扱いは、フリットに比べると小さくなりますが、それぞれに重要な役割を担っています

アセムは、フリットとキオを繋ぐ役割
(考え方が正反対のふたりの間に立つので、大事)
キオは、フリットを説得する役割

キオがヴェイガンに囚われ、敵方の具体的な状況を知り、そこで重要な出会いがあったからこそ、信念を持って戦い、フリットを説得し続けられたと思えます

というわけで、アセム、キオどちらが欠けても、フリットが「過去」から解放されることはなかったと、考えています

やっぱり、大事な息子や孫ですからね
その言葉は、重かったはずです

死んだと思っていたアセムが海賊となって現れた際にメチャクチャ言ったのも、愛情の裏返しでしょうね
フリット、素直になれないんだなぁと思って、見ていました

そこが、なんだか微笑ましかったですねぇ


ラスト2話あたりは、感動しっぱなしで
ゼハートとアセムの対決は、もう少し長く見ていたかったですが・・・
3世代を詰め込んでいるので、駆け足なのは仕方ないですね

エデンに固執するあまり思考に余裕がなくなり、さらに直前の状況から冷静さを欠いていたゼハートは、アセムの敵ではなかった・・・と考えることにしています

ゼハートの最期や、フリットが「過去」から解放されるところが、特に良かった
ここは、AGEの「肝」に関わる部分でしょう

あと、キオ編のオープニング映像が気に入っています
少年フリットと少年アセム(ともに幻影ですが)が、キオと一緒にいるところ
それから、3世代のガンダムが次々に現れるところ

内容的には駆け足ながらも、そのあたりで長い時の流れを感じることができました


ところで、2012年9月29日に、「ガンダムフロント東京」へ行きました
まさに、客層は老若男女問わず

カップルがいて、家族連れもいて・・・
男の子や女の子がいると思えば、おじいさんもいましたし
青年~中年~壮年層は言わずもがな

他方、世の中では「家族」の絆が失われつつあると、感じられます
親が子どもを手に掛けたり、時にはその逆だったり・・・

家族だけではないですね
全体的に、ぎすぎすした社会になっています

このような時代の中で、3世代で楽しめるようになった「ガンダム」を通して「家族」の大切さや温かさを伝えることは、とても意義のあることだと思います

そしてもうひとつ

相手や自分を憎み続けるのでなく、「許す」ことが大事なんだよ、と
憎むのはエネルギーが要りますからね、ずっと続けるのは大変です
それに、憎しみに満ちた人生は、あまりに哀しい
どこかで気持ちに整理をつけて許さなければ、その人自身が、救われないでしょうね


ガンダムAGE

キャラデザイン的にもそうですが、まろやか風味です
戦争モノとしてのシビアさを求める人には、向いていません

その一方で、今の時代にとって必要な要素が、いろいろと含まれていると感じました
Gガンダムやターンエーの時にも思いましたが、(いい意味で)「ガンダムらしくない」です

でも、その時代を反映したテーマを持ち、視聴者に伝え、時に訴えかける・・・

それが「ガンダム」とするならば、AGEは紛れもなく「ガンダム」だと言えます


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